2023年5月。この記事を執筆した約1年前にアメリカでフットゴルフワールドカップが行われた。日本代表の活躍に胸躍るニュースが多い中、日本代表に選出される人がいるという事は、落選する人もいるという事だ。
「正直、かなり気合を入れて毎試合望んでましたが、その気合いが全部空回りして、昨シーズンは1回も一桁順位に入れませんでした。私は日本代表に今まで一度もなったこともないですし、同年代の選手や新しい選手たちがW杯でプレーするする動画を見たりして、正直悔しい気持ちでいっぱいだった時期もあった。」
そう語るのは今シーズンから加入した大谷恒輔だ。
当時はまだ友遊俱楽部に加入前、ツアー勝利経験もある大谷は代表に選出されてもおかしくない実力を持った選手だ。
最後まで代表の椅子を賭けた戦いに奮闘していたが残念ながら落選してしまった。最後まで争っていた分、悔しさというものは計り知れないだろう。
そんな落ち込む大谷が前を向けるきっかけになった言葉がある。
「妻から言われて気付くことができたのですが ‟良くも悪くも楽しみながら、考えすぎずにプレーする” ことが自分のスタイルだと気付くことが出来ました。」
真剣勝負の舞台で、椅子を取り合ううちに「楽しむ」ことが出来ていなかったのかもしれない。そのことに気づき、前を向くきっかけになったのだろう。
「自分は自分で楽しくプレーして、その結果今後、日本代表としてプレーする機会がもらえるのであれば最高かなと今は心の底から思えています。」
前を向き、楽しみつつTOPを目指すことが出来始めた2024年。フットゴルフに関わる人で驚いた人もいるだろう。友遊俱楽部の加入である。ツアー勝利経験のある選手の加入にチームメイトも驚きを隠せなかった。
そんな選手がなぜ加入を決意したのか。理由としては「3個」あると大谷は答えた。その答えに彼の今後のビジョンも見えた。
「1個目はエンジョイの活動に注力している友遊倶楽部に入団することで少しでも競技を普及していくことに携われるかなと思ったからです。今はまだあまり出来てないですけど、エンジョイでフットゴルフをしている人たちとラウンドしながら、いろんな話をしてみたいです。2個目は、自分がフットゴルフをする機会が増えると思ったからです。実際にチームメイトから練習に誘ってもらったり、私の方から誘ったりしているので、ボールを蹴る機会は増えていて、これはまだ加入して間もないですが、今のところ狙い通りと言えると思います。」
1つ目の「普及」、2つ目の「機会」。それと同時に聞いていて、フットゴルフが本当に好きなんだと感じた。
「最後3個目は、このチームの代表の小山さんがしっかりとこうなりたいというビジョンがあって、目的を持ってチーム運営に取り組まれているところに魅力を感じました。あとは単純にみんな驚くかなと思って。笑 」
加入には本当に驚いた。実は加入前に代表と大谷で何度も食事をして、チームの状況やビジョン等の情報交換をしていた。ただ、加入するとは思っていなかった。そしてチームにどう還元したいかも話してくれた。
「ツアー部門のチームメイトとは切磋琢磨してお互い成長していきたいです。エンジョイ部門のチームメイトとはさっき言ったことと重複しちゃいますが、できるだけ多く一緒にラウンドして、いろんな話をしてみたいです。」
自分自身の成長に加え、メンバーの成長、エンジョイ部門も気にかけて楽しめる心強いメンバーだなと感じた。最後に今後の展望を聞いてみた。
「色々楽しみながらとか言ってたけど、ずっと支えてくれてる妻の前でジャパンツアーを優勝したい!なんだかんだでこの気持ちが1番強いです!笑」
愛妻家で知られる大谷らしいコメントでインタビューを締めた。
今回のインタビューで益々、活躍を期待したいと思った。
悔しさの先にあるもの、楽しみながら。
友遊から世界へ。を体現する一人になる事を願っている。